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「中国包囲網」セキュリティダイヤモンド戦略
この「セキュリティダイヤモンド戦略」とは、安倍首相が第一次安倍政権を発足させたときに安倍首相が提唱した構想です。
多国間で協安全保障条約を結び、中国に対しての包囲網を敷くというものです。
ご承知のように中国は南シナ海で強引な埋めてを行い、人工島を次々と作り、軍事拠点化し、台湾と尖閣諸島に狙いを定め、侵略化の動きを活発化させています。
膨張を続けアジアの安全を脅かす中国に対して安倍元首相はどのように対応すべきか戦略を練っていたのです。
そのオペレーション名が「セキュリティダイヤモンド戦略」だったのです。
この構想を安倍首相が第一次安倍政権発足時に英文による論文「Asia's Democratic Security Diamond」として発表しています。
そしてこの論文をもとに2007年8月22日にインド国会で、また2013年2月23日のワシントン戦略国際問題研究所で演説を行っています。
その演説の骨子は自由と民主主義、基本的人権の尊重といった基本的価値観を共有する国通しが連携し、「自由で開かれたインド太平洋」を構築することが豊かで安定した地域の貢献につながるというものである。
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「セキュリティダイヤモンド戦略」とは
具体的には日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4か国で連携して中国の軍事的台頭を包囲する集団安全保障構想で対応しようとする戦略です。
太平洋からインド洋にまたがる領域をひとつの地域とみなし、「インド洋から太平洋へかけ」ての領域を一体性のあるものとみて、「力」ではなく「法と、ルール」に基づく秩序のもとに開かれた航行の自由を守るとして、「セキュリティダイヤモンド戦略」を打ち出したのです。
日本とインドが結びつくことによって、「拡大アジア」は米国や豪州を巻き込み、太平洋全域にまで及ぶ広大なネットワークへと成長するでしょう。
開かれて透明な、ヒトとモノ、資本と知恵が自在に行き来するネットワークです。
ここに自由を、繁栄を追い求めていくことこそは、我々両民主主義国家が担うべき大切な役割だとは言えないでしょうか。
とインドに呼びかけ、それにインドが呼応したのです。
アメリカの新たなアジア太平洋戦略の基軸に
安倍元首相と大統領に就任したトランプ氏と会談を進める中で、中国の台頭がいかに危険なものであるかを理解をしたトランプ大統領が「セキュリティダイヤモンド戦略」をアメリカの新たなアジア太平洋戦略の基軸として取り入れたのです。
日本が描いた戦略構想をアメリカが取り入れたのは歴史上初めてのことです。
安倍元首相が就任当初から積極的に進めてきた「地球儀を俯瞰する外交」が実を結んだのです。
「セキュリティダイヤモンド戦略」をもとに「インド太平洋戦略構想」さらに「クアッド」と名称を変え進められています。
またこの構想は、将来はベトナムやインドネシアをはじめASEAN諸国を取り込んでいくという狙いもあります。
現在アメリカと中国という二大大国がどちらが世界を制するかという覇権をかけて正面から激突していますが、第一次安倍内閣に就任した13年前から安倍首相はこうなることを予想していたようで、長年かけて撒いてきた種が今、芽吹こうとしています。
日米韓は同盟国であるため韓国にも参加を促しているが韓国は日本が主導した戦略なので反発があるのか、参加は困難があるとして回答を見送っている。
加速するインド太平洋構想
共同通信 2019年11月30日
日本とインド、初の戦闘機訓練へ 安保協力強化、中国意識
インド訪問中の茂木敏充外相と河野太郎防衛相は、ニューデリーで初の日印外務・防衛閣僚協議(2プラス2)に臨んだ。航空自衛隊とインド空軍の戦闘機訓練を日本で開催する方針で一致。
日経新聞 2020年6月4日
豪印、防衛協力で新協定 対中けん制 首脳が合意
オンラインで首脳会談を開いた。両国軍の相互運用能力を高める協定で合意し、共同声明を発表した。
通商や領土を巡り中国との緊張が高まる中、豪印は日米主導で中国に対抗する「自由で開かれたインド太平洋」構想に賛同、対中けん制で足並みをそろえ防衛協力を拡大させることに合意した。
米印海軍と日本の海上自衛隊による共同訓練「マラバール」への豪州の参加も協議されたとみられる。
YAHOOニュース 2020年7月14日
来年の日米軍事演習に英最新鋭空母クイーン・エリザベスが参加か 空母打撃群のインド太平洋常駐も
新型コロナウイルス・パンデミックに乗じて中国が香港や南シナ海、中印国境での動きを活発化させているため、香港の旧宗主国イギリスは来年に初めて航海する最新鋭空母クイーン・エリザベス(満載排水量6万7669トン、全長284メートル)をインド太平洋での日米合同軍事演習に参加させると英紙タイムズが14日、特ダネとして報じました。
産経新聞 2020年7月21日
日米豪、西太平洋・南シナ海で共同訓練 中国を牽制
海上自衛隊トップの山村浩海上幕僚長は21日の記者会見で、西太平洋と南シナ海で日米豪3カ国の共同訓練を19日から23日まで実施していると発表した。
一帯の海域では中国が新型コロナウイルス禍においても覇権拡大をもくろんでおり、共同訓練には中国を牽制(けんせい)する狙いもあるとみられる。
読売新聞オンライン 2020年8月28日
日米豪印の安保高官が10月に会合、対中国の連携確認へ
米国のロバート・オブライエン大統領補佐官が、日本と米国、オーストラリア、インドの4か国の安全保障担当高官による会合を10月にハワイで開催する意向を明らかにした。
日米豪印は、自由で開かれたインド太平洋構想を支える中心国で、軍事力を背景に一方的な海洋進出を強める中国に対する連携を確認する狙いがある。
米国務省副長官、「インド太平洋NATO版」に言及
米国務省副長官のスティーブン・ビーガン氏は2020年8月31日にクアッド(QUAD)同盟と呼ばれている米日豪印4ヶ国の関係を「北大西洋条約機構(NATO)」に準じたものに拡張して公式化することを米国は目指している」と発言した。
またこの構想は従来の日本、アメリカ、インド、オーストラリアに、韓国・ベトナム・ニュージーランドの3カ国を加えた「クアッドプラス」になるだろうとしている。
翌日、ポンペオ国務長官は「インド・オーストラリア・日本のほか韓国が米国のパートナーになるだろう」と述べた。
これに対して中国に軸足を移しつつある韓国は「米国側から『クアッドプラス(安全保障機構構想)』に関する提案を受けたり参加を要請されたりしたことはない」と述べている。
こうした韓国に対して米国内では戦略的に共にしない韓国を核戦争の脅威まで覚悟して守り続ける必要があるのかと批判する声も出ている。
いずれ、韓国は自由主義陣営に残るのか、あるいはレッドチーム入りをするのか踏み絵を踏まされる時がくるだろう。
それにしても中国の横暴さは目に余る
力で現状を変えようとしている中国の横暴さを表しているのが下の図です。
中国が勝手に引いた九段線というのがあり、この内側がすべて自分たちのものだというのです。
中国の赤い舌とも呼ばれています。
この赤い線の内側がすべて中国の領海と主張し、勝手に人工島を作り軍事基地化しようとしています。
要塞化が進めば日本はもとより東アジアやアメリカの安全保障も脅かされることになります。
そしてまた中国は、2049年までに米国に代わって世界一の支配国になることを目指すと宣言しています。
その目的はアヘン戦争以来100年に渡り中国が受けた恥辱の歴史を排し、強国であった中国を取り返すのが目的です。
中国が受けた恥辱にまみれた100年の歴史
古代から19世紀前半に至るまで、中国は世界最大の富強国家だったというプライドがあります。
しかし1 8 4 0年のアヘン戦争でイギリスに敗れて、世界ナンバー1の座から陥落し、さらに1 8 9 4年の日清戦争で日本に敗れたことで、アジアナンバー1の座からも陥落することになります。
日清戦争で日本に負けるまで清(中国)は広大な領土と人口を誇り「眠れる獅子」と思われていて東アジアを植民地にしていた欧米の列強国もうかつに手を出すことは控えていました。
日本に負けたことで清(中国)は「眠れる獅子」ではなく「眠れる豚」だったとみなされその後はイギリス、フランス、ドイツ、ロシアなどの列強国によりむさぼり食われ恥辱の100年を迎えることになる。
世界最大の富強国家だった国がアジアの蛮族とみなしていた小さな国に敗れ、100年の恥辱を味わうことになったのだから、まずその恨みを晴らさないと世界に君臨することはできないという思いがあります。
中国が世界の覇権を担ったら、日本という国は一体どのような扱いを受けるのでしょうか。
敵対していたわけでもなく何の恨みもないウイグル人やチベット人に対して行っている人道を無視した残虐な扱いを見れば容易に想像がつきます。
各国とさらに連携を強めていき中国の暴走を食い止めることがいかに日本にとって重要かということが分かるのではないでしょうか。
阿部首相が残してくれた大きな遺産をさらに強固なものにしていかなければなりません。
朝日新聞 2020年12月22日
トランプ氏から安倍氏に勲章 功績をたたえて授与
オブライエン大統領補佐官は、NSC(国家安全保障会議)のツイッターで、安倍前首相に勲章を授与したと明らかにし、杉山駐米大使に手渡す際の写真を公開した。
授与されたのは、外国首脳などの功績をたたえる「レジオン・オブ・メリット」と呼ばれる勲章で、安倍前首相は「自由で開かれたインド太平洋」構想を推進したとして授与された。
この勲章は、インドのモディ首相やオーストラリアのモリソン首相にも贈られた。
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