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安倍元首相の「ダイヤモンドセキュリティ戦略」で進む「中国包囲網」

2020年9月6日

「中国包囲網」セキュリティダイヤモンド戦略

この「セキュリティダイヤモンド戦略」とは、第一次安倍政権を発足させたときに安倍首相が考案した構想です。
多国間で協安全保障条約を結び、中国に対しての包囲網を敷くというものです。

ご承知のように中国は南シナ海で強引な埋めてを行い、人工島を次々と作り、軍事拠点化し、台湾と尖閣諸島に狙いを定め、侵略化の動きを活発化させています。

膨張を続けアジアの安全を脅かす中国に対して安倍元首相はどのように対応すべきか戦略を練っていたのです。

そのオペレーション名を「セキュリティダイヤモンド戦略」と名付けたのです。

そして2007年8月22日にインド国会で、また2013年2月23日のワシントン戦略国際問題研究所でこの構想の演説を行っています。




「セキュリティダイヤモンド戦略」とは

具体的には日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4か国で連携して中国の軍事的台頭を包囲する集団安全保障構想で対応しようとする戦略です。

太平洋からインド洋にまたがる領域をひとつの地域とみなし、「インド洋から太平洋へかけ」ての領域を一体性のあるものとみて、「力」ではなく「法と、ルール」に基づく秩序のもとに開かれた航行の自由を多国間で連携して力による現状変更はさせないということを目的としたものです。

インドを引き込むことに成功

日本とインドが結びつくことによって、「拡大アジア」は米国や豪州を巻き込み、太平洋全域にまで及ぶ広大なネットワークへと成長するでしょう。
開かれて透明な、ヒトとモノ、資本と知恵が自在に行き来するネットワークであり、ここに自由を、繁栄を追い求めていくことこそは、我々両民主主義国家が担うべき大切な役割だとは言えないでしょうか。

と、インドのモディ首相に呼びかけ、それにインドが呼応したのです。


インドはアメリカとの政治的な軋轢があり、反米的な立ち位置にあった。

安倍首相はモディ氏が首相になる前から親交を温めていて、両氏の信頼関係の上で安倍首相の構想に理解を示した。

アメリカの新たなアジア太平洋戦略の基軸に

安倍氏油症はトランプが大統領選に勝利するやいなや世界の首脳に先駆け、トランプタワーへ押しかけトランプとの面会を果たした。
会談を進める中で、これからはロシアでなく中国の台頭がいかに世界にとって脅威となるかを切々と説き、そのためにはインドを西側陣営に引き入れることが必要であると説得した。

インドを巻き込んで中国と対峙するという斬新なアイデアを聞いたトランプは驚くと共に「セキュリティダイヤモンド戦略」の意味をすぐに理解した。

会談が終わり、安倍氏が退室した後、同席していた娘のイヴァンカが「彼はクレバーな男よ、従うべきよ」と評したと後にトランプ自身が伝えている。

その後トランプ大統領は多くの法案を通し、中国に対峙する非常に厳しい政策を次々と打ち出したことはご存じのとおりです

アメリカが「セキュリティダイヤモンド戦略」をアメリカの新たなアジア太平洋戦略の基軸として取り入れたのです。

日本の政治家が描いた戦略構想をアメリカが取り入れたのは歴史上初めてのことです。

安倍元首相が就任当初から積極的に進めてきた「地球儀を俯瞰する外交」が実を結んだのです。

「セキュリティダイヤモンド戦略」をもとに「インド太平洋戦略構想」と名称が変えられ今では「クアッド(4を表す)」として進められています。

安倍首相が10年、20年先を見通し長年かけて撒いてきた種が芽吹いたのです。

加速するクアッドへの取り組み

共同通信 2019年11月30日

日本とインド、初の戦闘機訓練へ 安保協力強化、中国意識

インド訪問中の茂木敏充外相と河野太郎防衛相は、ニューデリーで初の日印外務・防衛閣僚協議(2プラス2)に臨んだ。航空自衛隊とインド空軍の戦闘機訓練を日本で開催する方針で一致。

日経新聞 2020年6月4日

豪印、防衛協力で新協定 対中けん制 首脳が合意

オンラインで首脳会談を開いた。両国軍の相互運用能力を高める協定で合意し、共同声明を発表した。
通商や領土を巡り中国との緊張が高まる中、豪印は日米主導で中国に対抗する「自由で開かれたインド太平洋」構想に賛同、対中けん制で足並みをそろえ防衛協力を拡大させることに合意した。
米印海軍と日本の海上自衛隊による共同訓練「マラバール」への豪州の参加も協議されたとみられる。

YAHOOニュース 2020年7月14日

来年の日米軍事演習に英最新鋭空母クイーン・エリザベスが参加か 空母打撃群のインド太平洋常駐も

新型コロナウイルス・パンデミックに乗じて中国が香港や南シナ海、中印国境での動きを活発化させているため、香港の旧宗主国イギリスは来年に初めて航海する最新鋭空母クイーン・エリザベス(満載排水量6万7669トン、全長284メートル)をインド太平洋での日米合同軍事演習に参加させると英紙タイムズが14日、特ダネとして報じました。

産経新聞 2020年7月21日

日米豪、西太平洋・南シナ海で共同訓練 中国を牽制

海上自衛隊トップの山村浩海上幕僚長は21日の記者会見で、西太平洋と南シナ海で日米豪3カ国の共同訓練を19日から23日まで実施していると発表した。
一帯の海域では中国が新型コロナウイルス禍においても覇権拡大をもくろんでおり、共同訓練には中国を牽制(けんせい)する狙いもあるとみられる。

読売新聞オンライン 2020年8月28日

日米豪印の安保高官が10月に会合、対中国の連携確認へ

米国のロバート・オブライエン大統領補佐官が、日本と米国、オーストラリア、インドの4か国の安全保障担当高官による会合を10月にハワイで開催する意向を明らかにした。
日米豪印は、自由で開かれたインド太平洋構想を支える中心国で、軍事力を背景に一方的な海洋進出を強める中国に対する連携を確認する狙いがある。

米国務省副長官、「インド太平洋NATO版」に言及

米国務省副長官のスティーブン・ビーガン氏は2020年8月31日にクアッド(QUAD)同盟と呼ばれている米日豪印4ヶ国の関係を「北大西洋条約機構(NATO)」に準じたものに拡張して公式化することを米国は目指している」と発言した。

またこの構想は従来の日本、アメリカ、インド、オーストラリアに、韓国・ベトナム・ニュージーランドの3カ国を加えた「クアッドプラス」になるだろうとしている。

翌日、ポンペオ国務長官は「インド・オーストラリア・日本のほか韓国が米国のパートナーになるだろう」と述べた。

これに対して中国に軸足を移しつつある韓国は「米国側から『クアッドプラス(安全保障機構構想)』に関する提案を受けたり参加を要請されたりしたことはない」と述べている。

こうした韓国に対して米国内では戦略的に共にしない韓国を核戦争の脅威まで覚悟して守り続ける必要があるのかと批判する声も出ている。

それにしても中国の横暴さは目に余る

力で現状を変えようとしている中国の横暴さを表しているのが下の図です。

中国が勝手に引いた九段線というのがあり、この内側がすべて自分たちのものだというのです。
中国の赤い舌とも呼ばれています。

この赤い線の内側がすべて中国の領海と主張し、勝手に人工島を作り軍事基地化しようとしています。
要塞化が進めば日本はもとより東アジアやアメリカの安全保障も脅かされることになります。

そしてまた中国は、2049年までに米国に代わって世界一の支配国になることを目指すと宣言しています。
その目的はアヘン戦争以来100年に渡り中国が受けた恥辱の歴史を排し、偉大であった中国を取り戻すのが目的です。

朝日新聞 2020年12月22日

トランプ氏から安倍氏に勲章 功績をたたえて授与

オブライエン大統領補佐官は、NSC(国家安全保障会議)のツイッターで、安倍前首相に勲章を授与したと明らかにし、杉山駐米大使に手渡す際の写真を公開した。

授与されたのは、外国首脳などの功績をたたえる「レジオン・オブ・メリット」と呼ばれる勲章で、安倍前首相は「自由で開かれたインド太平洋」構想を推進したとして授与された。

安倍首相が10年、20年先を見越して種を撒いてきたこの構想がなかったら、台湾有事の緊張感はさらに高まっていたであだろう。

安倍首相が提唱した構想が世界を巻き込みここまで進化した

「圧巻!」いせを先頭に6カ国の連合艦隊が沖縄沖で大規模軍事演習

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2022年7月8日、信じられないニュースが飛び込んできた

安倍元首相が奈良で遊説中に凶弾に倒れ、心肺停止という信じられない報道が配信された。

どんな形でもいいから命だけはと祈っていたがその希望も打ち砕かれ、その日の夕方に亡くなられてしまったとの続報が入った。
あまりにも無念で身内でもないのになぜか涙があふれてきた。

安倍総理のいない日本、どこかぽっかりと心に穴が開いたような気持ちに襲われたのは私だけではないでしょう。

この記事を書いたのは約2年前になりますが、今となっては亡き安倍総理の大きな功績の一つを表す記事となってしまいました。

亡き安倍晋三元首相に対し、半期を掲げ、インドとブラジルなど数カ国が国を挙げて喪に服し、計259の国や地域、機関から約1700件の弔意のメッセージが寄せられている。
世界は安倍元首相の功績を日本とは異なり最大の賛辞で評価をしてくれている。

美しい日本を取り戻し、そして日本を守ることに全力を尽くして頂いた安倍元首相に感謝の念と共に哀悼の意を表します。
長い間お疲れさまでした、安らかにお眠りください。

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