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「圧巻!」いせを先頭に6カ国の連合艦隊が沖縄沖で大規模軍事演習

2021年10月22日

画像で見るように先陣を切って航行する航空戦艦「いせ」を先頭に6カ国による大編成を見るとこれはすでに21世紀の連合艦隊と言えるほどの壮観な様相だ。

かつて日本は連合国軍を相手に戦ったことを思えば、こんな光景は日本の歴史上初めてのことである。




  • 日本
  • アメリカ
  • イギリス
  • オランダ
  • カナダ
  • ニュージーランド

の6カ国が集結し、10月2、3の両日で沖縄南西海空域で共同訓練を実施した。

その布陣は海自護衛艦「いせ」、「きりしま」、「やまぎり」、英空母「クイーン・エリザベス」のほか、米空母「カール・ヴィンソン」、「ロナルド・レーガン」が参加。

さらに、各空母の随伴艦数隻とともに、オランダ、カナダ、ニュージーランドの艦艇も加わり、6カ国による共同訓練となり、米英の3つの空母を含む17隻が共同訓練を行った。

インド太平洋地域で存在感を高める中国の脅威がいかに切実で現実味を帯びてきているかという表れであり、それに伴い世界はすでに動き出している。

共同訓練を可能にするまでの日本の道のり

自衛隊がアメリカ軍意外と共同訓練を行えるようになったのは安倍元首相が第二次安倍政権になって

  • 「国家安全保障戦略」
  • 「防衛装備移転三原則」
  • 「平和安保法案」

を閣議決定して初めて可能になった。

それまでの日本における防衛戦略においては省庁縦割りの弊害があり機能していなかった。
例えば防衛省の人間がアメリカ以外の国の外交のトップと会談するにも、独自には動けず外務省の許可が必要だった。

外交は外務省の所管であり、「勝手なことをするな」と横やりを入れられてしまうからだ。

自衛隊が日本の領海から他国の領海に入る場合は武器輸出三原則があるため武器を搭載したままでは入れなかった(経済産業省所管)。
それを可能にしたのが「防衛装備移転三原則」だ。

省庁の縦割りは宇宙に関しては文部科学省、経済産業省の所管、サイバー攻撃に関しては通信に関わるため総務省の管轄となっているため自衛隊は独自での活動ができない状態だった。

またアメリカ以外の国と共同訓練をすることはできなかったが「平和安保法案」を可決させたことによりようやく可能となった。
この「平和安保法案」は「戦争法案」と揶揄され野党やマスコミから大バッシングを受けた。

このように各省庁ごとに省益が絡み防衛省はつまはじきにされていたため総合的な戦略が立てられなかったが、「国家安全保障戦略」のもとに国家安全保障会議(NSC)を司令塔として置き、国家安全保障政策を戦略的かつ体系的なものとしてようやく今回のような共同訓練を実施していくことが可能になった。

こうした「存立危機事態」への対処に関する法制の整備によって、自衛隊が当たり前のことがやっと当たり前にできるようになるまでにはこのようにいくつもの障害を克服しなければならなかった。

安倍元首相の英霊に対する思い

突然の行動に中腰になってしまった河野海上幕僚長(当時)

硫黄島を訪れた際、安倍首相(当時)は突如として、滑走路に両膝をついて合掌し、祈りを捧げ、滑走路のコンクリート面をなで始めた。

硫黄島では2万人余の日本兵らが亡くなったが、滑走路の下には今も多くの戦没者の遺骨が眠ったままなのだ。
それを知っていた首相は「踏みつけて申し訳ございません」と土下座をした。

河野海上幕僚長(談)

私はそのお姿を拝見して、戦没者に対する慰霊の念がとても強い方だなと、再認識しました。その時は同行する記者もほとんどいませんでしたから、それは決してパフォーマンスではなく、心からの慰霊の行為でした。
ですから非常に印象深い光景でしたね」

連合艦隊の始まりは安倍元首相の構想から始まった

この「セキュリティダイヤモンド戦略」は、安倍首相が第一次安倍政権を発足させたときに安倍首相が提唱した構想です。
この構想をインドとアメリカの議会で演説し大きな賛同を得ています。

その演説の内容は自由と民主主義、基本的人権の尊重といった基本的価値観を共有する国通しが連携し、「「インド洋から太平洋へかけ」ての領域を一体性のあるものとみて、「力」ではなく「法と、ルール」に基づく秩序のもとに開かれた航行の自由を守るとして、「セキュリティダイヤモンド戦略」を打ち出したのです。

膨張を続けアジアと世界を脅かす中国の危機に対してアメリカ、日本、オーストラリア、インドの4カ国で連携し中国包囲網を敷いて中国の動きを封じ込めることを目的としたものです。

そしてトランプが大統領に就任し、この構想をアメリカの新たなアジア太平洋戦略の基軸として取り入れたのです。

日本が描いた戦略構想をアメリカが取り入れたのは歴史上初めてのことで、安倍元首相が就任当初から積極的に進めてきた「地球儀を俯瞰する外交」が実を結んだ歴史的な瞬間です。

現在は4つを意味するQuad(クアッド)と名称を変え進められています。

このクアッドの趣旨に各国が賛同して今回の6カ国にによる大軍事演習につながったのである。

日米豪印により行われたクアッドの軍事演習

このクアッドに消極的な韓国に代わりに英国が参加する意向を示しています。

日本が外交で存在感を示したのはクアッドだけではなくTPPでも大いに貢献しています。
当初アメリカを含む12カ国で立ち上げようとしていたTPPからアメリカが脱退したため、成立は無理だろうと思われていたのを日本が中心となり奇跡的に11カ国でまとめ上げ成立させたのです。

そのTPPに現在台湾と中国が加盟申請をしています。
イギリスはすでに加入申請を済ませており、イギリスの加入に向けた交渉を行う作業部会が設置されて進んでいます。

こうした地域の安定のためにアジア諸国をはじめ世界は日本のリーダーシップに期待を寄せています。
肝心な時に日本がふらふらしていてはすべてが台無しになってしまいます。

軍事力があるから戦争が起こるとは必ずしもいえず、軍事力のバランスが崩れて力の真空地帯が生じたときに、不測の事態から戦争が起きるということを歴史は教えてくれている。

相手に戦争を起こさせないためには抑止力が必要で

  1. ミサイル防衛
  2. 敵基地攻撃能力
  3. 大量報復

の3つが必要とされる。

岸田首相はこれから「敵基地攻撃能力」についてNSCで検討を始めると発表したが抑止力の構築という点ではいかにも遅すぎる。

台湾有事が迫っている中、日本政府には毅然とした対応を求めたい。

中国とロシア艦艇、日本周辺を一周

防衛省によると10月22日午後1時ごろ、「10隻が高知県足摺岬の南約180キロを航行。その後、大隅海峡を通った。」と発表した。

防衛相によるとこれは明らかに「わが国への示威活動」だと警戒感を示したが、統合幕僚学校長を務めた伊藤俊幸氏によれば今回の大艦隊による軍事共同訓練に対して相当な衝撃を受けたための行動であると述べている。

「きりしま」、英空母「クイーン・エリザベス」、米空母「カール・ヴィンソン」、「ロナルド・レーガン」の4隻の艦隊だけでいざとなれば「北京」、「上海」、の都市を消滅させることができるだけの能力を有しているからだとのこと。

 

 

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