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「アメリカ社会の裏側」薬物患者がゾンビのように徘徊する街

2022年12月27日

フィラデルフィアはアメリカ独立の舞台であり、美しい都市として有名だったフィラデルフィアに位置するケンジントン。

しかし、今のケンジントン地区は様相が一変している。
薬物依存症の人々が、道端でまるで“ゾンビ“のような姿勢で佇む人々であふれているのだ。

そのためここはゾンビタウンと呼ばれていて、ここではこれが日常の光景なのだ。

今のケンジントン地区は全米最大の野外ヘロイン市場として知られていて、道端で誰もが簡単に安く麻薬を入手できるのです。

警察も乱用者たちが多過ぎて取り締まることも難しい状況になっているため、通りのいたるとところで昼間から堂々と注射をしている姿を目にする。

薬物が蔓延したらどうなるのかという見本のような光景である。





こうした光景は全米各地の都市部にも広がっている。
カリフォルニア州 サンフランシスコの地区に”The Tenderloin” と呼ばれている地区がある。

なぜこんな地名が付いたかというと、この場所を担当する警察官は追加の手当てをもらえるため、そのお金で高いステーキ(テンダーロイン)が食べられるというところに由来しているそうです。

つまり、このエリアは犯罪率が高く、麻薬も蔓延しているため警察官が担当するのはとても大変な場所だということです。

サンフランシスコでは万引きし放題

またサンフランシスコでは、2014年に住民投票で法案が可決され、暴力性の無い95ドル(約12万円)以下の窃盗は軽罪になった。

そのため万引きはた逮捕するなと通達が出されていて、万一逮捕されても即釈放が多く、店側も店員に介入しないよう通達しているため窃盗犯の天国となっている。

こうした政策を行っている都市はリベラル派の知事が就任している州が多い傾向がある。

地域凶悪犯罪窃盗犯罪
サンフランシスコ 341件4,432件
アメリカ平均412件1,958件
日本平均47件331件

オレゴン州のポートランドでは希望者に麻薬を打つための注射器を箱単位で無料で配布している。
その理由は薬物を手に入れるための金欲しさの犯罪を未然に防ぐのが目的のようだ。

アメリカで広がる大麻の合法化

アメリカ・オレゴン州ではも2020年11月にストリート・ドラッグ」と呼ばれる比較的ポピュラーな麻薬の「少量の所持に対しては無罰化する」という法案が賛成多数で可決された。

これにより、少量であればハードドラッグを所持していても即座に逮捕されるということはなくなった。

その理由は「軽犯罪として刑務所に収容するよりも、麻薬に対するリハビリセンターなどに入れて依存症から立ち直らせるべき」という考え方からだ。

しかし、本当の理由は麻薬常用者の数が多すぎて、取締にかかる費用、また刑務所に収監する費用がバカにならない上、収容しきれないのが現状だ。

アラスカ州、オレゴン州、ワシントン州などを筆頭に次々とほかの州も医療用大麻の解禁に踏み切り、現在アメリカの18州で大麻が合法となっている。

アメリカでは「郵便番号で人生が決まる」

アメリカでは所得分布で上位1%にあたる人々が、全体の60%を占める中間層を上回る富を保有していることがデータで明らかになっている。

富が一握りのエスタブリッシュメントと呼ばれるエリート層がいかに多くの富を独占しているかを表している。
この傾向は今後さらに高まり格差が広がることが予想される。

米国では「郵便番号で人生が決まる」とも言われている。

地域ごとの格差が拡大し、どこで生まれたかで、その後の人生の行方がおおかた決まってしまうという意味だ。
ブロックひとつ違うだけで貧富の違いがはっきりと見えるのがアメリカの現実。

「階級交流」で所得20%アップ
富裕な地域の友達が多いと、所得は将来20%UPするとも言われている。

貧困者はさらに貧困が進み、富裕者はさらに裕福になっていく。

どんなに努力をしても抜けだすことのできない貧困から閉塞感にさいなまれて薬物に手を出していくことになる。

貧困な人が増えるほど、平等を掲げている社会主義の方がましだと肯定的なイメージを抱き、リベラルな考えに傾倒していく人が増えていくのは自然なことなのかもしれない。

今アメリカではこうした貧困格差に加え、LGBTなどのジェンダー問題を含むポリコレ運動が先鋭化し「保守派」と「リベラル派」に分かれ国民を二分する対立が起きている。

『言葉狩り』行き過ぎたポリコレがアメリカの分断を生んでいる

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