韓国・北朝鮮関連

逮捕続きの韓国の大統領は世界一危険な職業、文在寅大統領の運命は

2021年7月28日

就任した歴代の韓国の大統領を見渡すと11人中10人が逮捕、収監、暗殺、亡命、自殺と非業な末路をたどっている。

まともに余生を送れたのは第10代大統領に就任した崔圭夏大統領一人だけである。

なぜこのような悲惨な結果を迎えることになるのか韓国社会の背景にある「血縁集団体制」と「易姓革命」の2点から解説してみたいと思う。



非業な末路をたどる韓国の歴代大統領

李承晩(初代~3代)
 亡命 
不正に対する反発から発生した革命を受けて国外へ亡命、その後死亡


尹 潽善(第4代)
 逮捕 
懲役5年の実刑判決を受ける。死去後の2013年に再審で無罪となる


朴正煕(第5~9代)
 暗殺 
韓国中央情報部長官・金載圭によって1979年に暗殺される。


崔圭夏(第10代)

大統領経験者としては唯一、本人・親族ともに難を逃れた大統領。


全斗煥(第11~12代)
 逮捕 
退任後に不正蓄財と民主化運動弾圧の罪で逮捕・投獄される


盧泰愚(第13代)
 逮捕 
不正蓄財と民主化運動弾圧の罪で逮捕・投獄。


金泳三(第14代)
 息子の逮捕 
次男の金賢哲が斡旋収賄と脱税で逮捕、後に金大中大統領による特赦で赦免された。


金大中(第15代)
 息子の逮捕 
3人の息子が脱税、賄賂などを受け取った罪で逮捕、親族5人が権力を悪用した不正蓄財で刑事訴追を受ける。


盧武鉉(第16代)
 自殺 
収賄容疑を受けて、2009年4月の訴追直前の出頭要請前に投身自殺


李明博(第17代)
 逮捕 
追徴課税57億8,000万ウォンの実刑判決が確定し懲役17年の実刑を受ける。


朴槿恵(第18代)
 逮捕 
弾劾訴追を受け、2017年に罷免された上で収賄等の嫌疑で逮捕・起訴され懲役20年の判決を受ける。


唯一難を逃れた第10代大統領の崔圭夏氏は、朴正熙大統領の暗殺に伴って棚ぼた式で大統領に就任するも8カ月で辞任したためスキャンダルに巻き込まれる暇がなかったことが功をそうしたといえる。

この結果を見ると無事に退任できる確率はわずか9%です。

 

血縁関係による一族集団体制の悲劇

農民の仕事ぶりを寝そべりながら眺める両班

韓国では家族を大切にすることはもちろんですが、親族をとても大事にし、困ったときはお互いに助け合うことが当然とされています。

このような傾向は家族を中心とした一族を形成し、自らを守らなければならなかった過去の歴史に起因している。

日本が朝鮮を併合する以前の「李氏朝鮮王朝時代」に、王族の次の身分として両班(ヤンバン)という身分がありました。

ヤンバンは朝鮮王族以外の身分階級の最上位に位置していた貴族階級であり、支配階級の身分でもありました。

そればかりかその特権を利用して、民から金銭も払わずに収奪していたのです。

このような時代が500年もの間続いたため血縁集団を作って、自分たちの手で秩序を保ち、一族の安全を守り、一族のなかの弱者を救済していかざるおえなかったのです。

この関係は現在でも引き継がれ、血縁集団の中で金持ちがいたら経済的に困っているものを助けるのは当たり前のことなのです。

社会の中でそれなりの地位につき権力を行使できる立場の者がその力を使わず一族のために利益をもたらすことができない人間は役立たずな無能者扱いにされてしまいます。

この関係は時の大統領でも同じであり、大統領の兄弟や親族であればかなりの影響力を持つ立場にあるため大統領の知らないところでも起きやすく、また知っていても一概に止めにくい背景があります。

 

前任者を徹底的に叩きのめす易姓革命の影響

また前政権の大統領をなぜあそこまで徹底的に叩きのめすのでしょうか。
それは朝鮮は長い間中国の隷属下に置かれていたため儒教をはじめ中国文化の影響を多く受けていることにあります。

中国には易姓革命という考え方があり、当然その影響を受け次いでいます。

易姓革命とは
天は王朝に地上を治めさせるが、その王朝が得を失ったときに天は見切りをつけ「革命」を起こさせ次の王朝に収めさせるとされている。

易姓革命では「徳」が重要なポイントとなります。

前の王朝が得を失ったとき新たな得を持った一族が新王朝を建てる(新しい王朝の姓が易わる)という事象を易姓革命が起きたと言います。

新しい王がどんなに優れた得を持っているのかを示すためには比較対象として、前の王がどんなにひどい王であったかを証明することが必要となってきます。
そのためには事実であろうがなかろうが、ありもしない罪をかぶせてでも貶めることが行われます。

そうすることによって新しい王の徳が輝きを増すことになります。
こうした中国古来の考え方の影響を受けているため韓国では前任の大統領を徹底的に叩きのめすことが毎回行われます。

今の韓国は曲がりなりにも民主主義国家なのだから本当に国民のためになる政策を訴えて着実に実行していけば国民の信頼は得られると思うのですが、韓国の大統領の任期は5年までの1期と定められています。

5年という期間の中で成果を上げるためには大きな支持率が必要となります。

そのためには相手を貶めることが手っ取り早い方法なので韓国版易姓革命が繰り返されるのです。

相手の功績や温情など入る余地はありません「川に落ちた犬は叩け」ということわざがあるくらいですから徹底的に叩くのみです。

しかし時には命まで危険にさらされることもある世界一危険な職業と言われる韓国大統領の座を目指す者が後を絶たないというのも不思議です。

自分だけはそうはならないという自信なのか、はたまた権力の魔力なのでしょうか。

 

文在寅大統領の運命やいかに

大統領の任期が3年を過ぎてくると再選がないため徐々に支持率が低下し始めレームダック化してきます。
そのためお決まりの大統領の側近や身内のスキャンダル探しが始まり検察の捜査の手が伸びてくるようになります。

今回その先頭に立ち捜査を指揮していたのが前検事総長の尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏である。
尹錫悦氏は文在寅大統領が異例の抜擢をした疑惑のデパートと言われた曺国(チョ・グク)前法相を起訴し、大統領の側近にも捜査の手を伸ばそうとしていた。

これに対して文在寅はチュ・ミエ(秋美愛)法務部長官を使い検察総長に対する懲戒を請求し、職務排除措置を下した。
秋美愛法務部長官は、4カ月で3回もの捜査指揮権を発動し、尹錫悦検察総長を事件の捜査から手を引かせて対抗している。

文在寅氏は悲願である北朝鮮との南北統一にひたすら力を注ぎ内政をなおざりにしてきたため、若者の失業率が上がり景気も低迷し政権への批判が上がりつつある。

任期満了を迎え来年の選挙で野党に政権を奪われることになればお決まりの大統領の逮捕劇が待っている。
それを防ぐためにはこれ以上支持率を下げることはできないので以下のような法案が次々と発議されている。

  • 言論仲裁法改正案
    虚偽や歪曲された報道によって不利益を受けた場合、メディアに最大で損害額の5倍の賠償請求ができるようにするというものだが、たとえ事実であっても政権側が歪曲されたと判断すればこの法案に触れることになる可能性があり、メディアの批判を封じ込める次期大統領選を見据えた法案なのではないかと揶揄されています。
    野党側から『北朝鮮のような社会主義国家になるつもりか』など批判の声が上がっている。
  • 「親日賛美禁止法案」
    慰安婦と徴用工の問題をはじめ、日帝の植民地支配や侵略戦争行為について歪曲・美化・鼓舞または宣伝する者には、「2年以下の懲役、または2000万ウォン以下の罰金を科する」となっている。
    この法案の目的は”親日勢力の清算”である。
  • 慰安婦批判禁止法案
    正義連の前理事長で、在職当時、団体への寄付金を横領したなどとして起訴されている尹美香(ユン・ミヒャン)議員が、慰安婦関連団体への名誉毀損を処罰する法案を共同発議した。
    この法案は慰安婦関連団体への批判はもちろんのこと、尹美香(ユン・ミヒャン)自身への批判も対象になる。
    慰安婦団体へは政府も多額の資金を提供しているためその関連性が問われると痛手になるため避けたい思惑がある。
    こんな法律がまかり間違って成立することになると次は文在寅大統領保護法案が出てくるのではと揶揄されている。

残り1年の任期を切った文在寅大統領が91%の確率の中に入らないでいられるだろうか、おそらく・・・・。

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