過酷な中国人の日常生活編 ④
バスの運転手が倒れるも乗客は無視して下車
河南省新郷市で路線バスの運転手が運転中に急に病気で倒れてしまった。
運転手は倒れる前にバスを路肩に止めたが、乗客らは床に倒れた運転手のそばを通りながらも運転手を無視してそのまま下車して行ったという。
SNSのコメントで「偉大なる中華民族ですね」と皮肉を述べるユーザーや「これが真実、これが現実だ」との意見もあった。
また、中国湖南省株洲では、高齢の男性が道路の真ん中辺りで突然転んで倒れてしまった。
そのそばをバイクや自動車が次々と通って行ったが、誰も助けず、ただ通り過ぎて行ったという。
通り過ぎて行った22台の車の中には「公安」と書かれたパトカーも含まれている。
老人のすぐ隣を通っているにもかかわらず、無視してそのまま行ってしまったとの記事もある。
記事出典元 Record China
高齢の男性が通路の真ん中で突然倒れたが誰も助ける人はいない
これはひどい!みな通りすぎるだけ
- これ以外にも中国では以下のような事例がたくさん報道されている。
- 車にはねられた2歳の女の子を大勢の通行人が救助せず、女の子が後に死亡した。
- 70代女性を助けた小学生2人組が女性から訴えられる=裁判所の判断は如何に。
- 道で倒れた女性を助ける人々、感動話と思いきや「財布がない!」
- 道で倒れた高齢者を女性が助けようとしたところ「やめとけば」と“善意の声”が上がった事例もあるという。
中国では倒れた人を助けないのはなぜ?
日本では、「迷わず、すぐに助ける人」が圧倒的に多いと思う。しかし、現在の中国では違う。
中国では、交通事故などで救助が必要な人を目撃したとしても、助けずに見過ごす人は多い。
その理由となったは2006年に南京市で起こった「彭宇事件」から始まる。
”彭宇”という名の20代の青年がバス停で転んだ老人を助け起こして病院に送り届け、診療費まで立て替えたのだが、老人からは逆に訴えられてしまったのだ。
老人側は「彭宇に突き飛ばされて転んだ」と主張し、賠償金13万元を求めれてしまった。
一審で裁判官は「被告は原告を突き飛ばしたことの後ろめたさから病院まで送ったのだろう」というめちゃくちゃな理由で青年を犯人と認定し約4万5000元の支払いを命じた。
この事件以後、「人助けは自分のためにならない」という観念が生まれ、見て見ぬふりをして通りすぎるという事態が多発するようになった。
まあ、元々中国では昔から実利主義が蔓延し、「嘘は悪いことではない、騙される方が悪い」という風潮があり、「彭宇事件」がさらに拍車をかけモラルなき社会を形成している。
それにしても世知辛い!中国で生きるということは大変だ。