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コロナ患者たらい回しの原因「幽霊病床」による不正受給

2021年9月1日

日本は欧米諸国に比べて人口当たりの病床数が多く、感染者数はより少ないのに病床が逼迫してるという理由で救急車を要請してもたらい回しにされ入院できないという状況が多発している。
その原因となっている要因の一端が垣間見えてきた。




千葉県・柏市の30代の妊婦が、自宅療養中に出血したものの、入院先が見つからず、自宅で出産。その後、赤ちゃんが死亡。

東京都内で、救急のコロナ重症患者がおよそ100の病院から受け入れを拒否された。

千葉県市川市で救急要請をした60代の男性が30施設以上の医療機関から搬送を断られ、およそ4時間後ようやく搬送された病院で死亡が確認。

コロナ患者がたらい回しにされる理由

このようにコロナ患者を受け入れると風評被害が起きる可能性があり、また場合によっては、病床閉鎖や入院制限を余儀なくされ病院の収益が減少するリスクが大きくなることが懸念され受け入れを嫌がりたらい回しが起きています。

しかし、問題はそれだけではないことが日本テレビの独自取材で明らかにされた。

病床使用率リスト入手「幽霊病床」実態とは日テレNEWS24より

その内容は新型コロナ患者を受け入れている、都内172の病院の病床使用率のリストを入手し調べたところ「幽霊病床」の存在が明らかになったというものです。
「幽霊病床」とは受け入れ可能と申告しながら実際は使用されていな病床のことを指します。

さらに問題なのはこうした病床には国から補助金が支払われていることにあります。

重傷者用ベッド1床につき最大で1950万円
重傷者以外のベッドについては900万円の補助金が支払われることになっている。

極端なたとえで言うと重傷者用ベッドを10床を受け入れを申告しておいて患者を一人も受け入れなくても1億9千5百万円が支払われることになる。

また受け入れ率100%で頑張っている病院もあり、不公平感の是正が求められるが、法的整備がないため厚生労働省としてはあくまで病院にお願いするしかないとしている。

 

尾身茂氏が理事長の公的病院でも


尾身茂医学博士
コロナウイルス感染症対策分科会長

政府分科会の尾身茂会長が理事長を務める地域医療機能推進機構(JCHO)傘下の東京都内の5つの公的病院で、183床ある新型コロナウイルス患者用の病床が30~50%も使われていないことが、AERAdot.編集部の調査でわかった。

5病院のうち最もコロナ患者の受け入れに消極的だったのは、東京蒲田医療センターだ。
コロナ専用病床78床のうち42床が空床で、半数以上を占めた。その他には、東京山手メディカルセンターは37床のうち35%(13床)が空床となっている。

東京高輪病院は18床のうち10%強(2床)が空床だった。東京新宿メディカルセンターはコロナ専用病床50床が満床だった。
東京城東病院はこれまでコロナ専用の病床はゼロだ。

【独自】コロナ病床30~50%に空き、尾身茂氏が理事長の公的病院 132億円の補助金「ぼったくり」〈dot. より

 

日本一コロナ患者を診てきた心ある医師の訴え


尾身茂医師
長尾クリニック院長
東京医科大学客員教授

たらい回し、保健所に連絡しても対応してもらえない、こんな状況を打破するために一人の町医者の訴えが今注目を浴びている。

その医師は兵庫県尼崎市の長尾クリニック院長の長尾和宏医師である。

長尾医師は日本一コロナ患者を診た「町医者」であり、しかもこの長尾クリニックではこれまで一人のコロナによる死者も、100人に及ぶ病院のスタッフの感染者も一人もを出していないというのだ。

以下に長尾医師による提言の要旨を抜粋して紹介しておきます。

  • 日本では日本医師会の会員たる「町医者」の大半がコロナ患者を診ない。そのため医療がすぐに圧迫される。
  • コロナ対策の基本はがん対策と同様で、早期診断と早期治療が原則で感染症指定病院は最後の砦で、そこにできるだけ行かずにすむように防波堤になるのが町医者の役割です。。
  • 日本は諸外国とくらべて感染者数も死者数も少なく、死亡者を限りなくゼロに近く抑えられたのに、政府と日本医師会は、その有利な条件を活かすどころか、悪い方向に持って行ってしまいました。
  • 感染者はみな保健所が管理しているため、入院できたころには治っているというバカげたことが起きる。
  • 障壁となる保健所の介入をなくすためにも、政府は現在の指定感染症2類相当を、インフルエンザと同じ5類にするべきである。

本来は医師会が防波堤となるべきところを、日本は諸外国とくらべて感染者数も死者数も少なく、死亡者を限りなくゼロに近く抑えられたのに、政府と日本医師会は、その有利な条件を活かすどころか、悪い方向に持って行ってしまいました。と苦言を呈している。

 

youtube MBSニュース #毎日放送 長尾医師 #発熱外来より

本来であれば国難の時であり、死亡者数もインフルエンザと大差がないのだから2類から5類に下げて医師全体で防波堤になれと政府も言いたいところだが医師会から反対があるとそれも言えない。

なぜなら自民党にとって選挙の時の大票田である以上、日本医師会について議員が批判することも声を上げることもできないのが現状だ。

尾身茂氏からも医師会からも聞こえてくるのは国民にたいして「動くな、自粛しろ」こればかりである。

 

■参考資料

人口1000人あたりの病床数 出典:OECD

急性期病院の新型コロナ 患者の受け入れ実績 出典:OECD

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